








近頃日本では「かたづけ術」的なものが流行っているらしい。いろいろな雑誌で特集されたり、単行本もたくさん出ているようだ。
私はずぼらな人間なので、このおかたづけ的なものが苦手だ。家事の中でいちばん苦手なのがアイロンかけで、その次に掃除がくる。最近ではもう、アイロンをかけなくてはいけない服は買わないようにしているので、あのめんどくささからは免れているけれど、掃除やかたづけはイヤでもやらなければならないのがツラい。
友だちには「そんなにイヤならお手伝いさんを雇えばいいのに」と、よく言われるけれど、たとえ彼女たちのお給料が激安でも雇いたくないのだ。お金の問題ぢゃない。掃除のめんどくささよりも、他人に家の中をうろつかれるめんどくささの方が上だからだ。人に掃除をしてもらうと、四角い部屋を丸く掃いたとか、ここにホコリが残ってるとか、小さなことが目についてしまう。そんなことでいちいち目くじらたてるのもめんどくさい。かといって、「ここはこうやって」「そうぢゃないでしょ? こないだも教えたでしょ?」などと、掃除の仕方を教えるのはもっとめんどくさい。自分で掃除をすれば、多少のホコリや犬の毛が残っているのも気にならないのだから、自分でやった方がずっといいと思う。もちろん、決して「こまめな掃除」などはできないのだけれど……。
というわけで、私は掃除もかたづけもひとりでやっているのだけれど、今の世の中、黙っていれば家の中にどんどんモノが溢れてしまう。ましてや、私のようなお買い物大好きオンナだとなおさらだ。世の中がどんなに不景気になろうと、子どもの頃に刷り込まれた「消費は美徳」という尊い教えが身体から抜けきらない。日本の高度経済成長時代に幼少期を過ごし、バブル時代を思い切り堪能した世代から買い物を取ったらなにが残るだろう。……というのはちょっと言い過ぎかもだけど、子どもを持たない私は「本来なら子どもにかかっていたお金を自分にかけてもバチはあたらない」などと自分自身に言い訳しながらついつい衝動買いをしてしまうのだ。
その産物が家に溜まる一方というのは風水的にも良くないので、たまに「1年以上着ていない」とか「いくらなんでもこの歳で、もうこれはないでしょう」とかいう服や小物をまとめて処分するようにしている。私はモノを買うのも好きだけれど、モノを手放すことにもほとんど抵抗がない。もちろん、必要なもの、お気に入りのものは別。けれど、それ以外は平気で手放せるのだ。というより、不必要なモノを取っておくのがイヤだと言った方がいいかもしれない。
バリの人たちは電化製品とかの箱を取っておきたがるけれど、あれなんぞはもってのほか。携帯でもデジカメでもDVDデッキでも、箱なんぞ買って来たらその場で捨ててしまう。ノートパソコンにいたっては、PCバッグをお店に持ち込んで、「箱は要りませんからこれに入れてください」と言ってしまうほどだ。だって、なんでゴミを持って帰らなくちゃいけないのか、わからないんだもの。
もう着なくなった服、インターネットで買ったけれど届いてみたらなんか違っていたり、サイズが合わなかったりした服、使わなくなった食器や調理器具、電化製品などは、ぜんぶ人に貰ってもらうことにしている。その服が似合いそうな人、好きそうな人、使ってくれそうな人を選んで差し上げるのだ。今の日本ではモノを処分する時に、フリマに持って行ったり、オークションに出したり、ゴミとして出すのでも細かく分別したりしなくちゃならなくて大変みたいだけれど、バリではとっても楽。この島の店には日本ほどの品数も種類もない。すぐになんでも買えるというわけではないので、必要なものをあげればみんな喜んで使ってくれるのだ。もうヨレヨレになったTシャツとかはまとめて袋に入れ、外のゴミ箱の上に目立つように置いておけば、30分もしないうちになくなっている。近所のお手伝いさんとか、工事の職人さんとかが持って行ってくれるのだ。だから、どんなものでも「もったいない」と心を痛めずに処分することができる。
そんな恵まれた環境の中にいても、ずぼらな私はなかなか部屋をキレイにすることができない。一度キレイにしても、すぐにまた散らかしてしまうので、ハッと気がつくと元の木阿弥状態になっていることも珍しくないのだ。そんな時は自分のずぼらさ加減がつくづくイヤになってしまう。
最近、インターネットの「アマゾン」でチラ見したかたづけ本の紹介文にこんなことが書いてあった。
一気にかたづける人は一気に散らかす
……名言だと思った。まさしく、その通りぢゃないか。だから1日15分ずつかたづける習慣をつける方がいいとも書いてあり、いたく共感したので、それからは「今日は冷蔵庫の一段め〜♪」とか「今日はTシャツ〜♪」とか言いつつ、実践している。もちろん、さすがに毎日はできないのだけれど、ちょっとずつでもかたづいていくのは気持ちがいいものだ。それに、これで私のずぼらな性格も少しはマシになるかもしれないと思うと、ちょっとだけワクワクしてくる。
さて、今日は冷蔵庫の2段目をかたづけるとするか。
今月のリコメンド玉
フラックスシードで元気美人に!
髪や爪、お肌の調子を整えてキレイにしてくれるフラックスシード(亜麻仁)。バリでは、輸入食材スーパー「バリデリ」で粉末のものが手に入ります。美容ばかりか、高血圧、血行不良、冷え症、更年期障害などにも効果があるという素晴らしいこの食品、クセのない味なので食べやすいのも◎ですよ。

Bali Deli
バリ・デリ
Jl. Kunti II No.17X, Seminyak
ラヤ・スミニャック通りからクンティ通りに入り、徒歩約3分の左側
Tel : 738686 Open : 8:00 -22:00
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田尾たんぼ(たおたんぼ):神奈川県生まれ、東京育ち。1992年インドネシア・ジャワ島のガ ジャマダ大学に語学留学後、1993年バリ島に移住。旅行会社、免税店、アクティビティ会社勤務を経て、独立起業。本誌編集責任者。食べることはもちろ ん、買い物もスパも大好きなお気楽人間。肥えすぎて重くなった 老体にムチ打ちながら美味しいものを求めてさすらい歩く一方、ダイエットを人生最大のライフワークともしている。自他ともに認めるイヌバカおばさんで、か わいいコを見るとデロデロになる一面も。著書に「バリ島極楽チャンプル」「バリごはん/バリ島極楽チャンプル2」(共にソニー・マガジンズ)。海外書き人 クラブ、ライターズネットワーク会員。「エイビーロード」のWEBサイト(http://www.ab-road.net/guide/) にバリ島情報を連載中。自サイトは「極楽たんぼ」http://www.taotam.com
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