びるとぴんキィの
ドリーム・サーフィン

13. サーファー・ファミリーの現役パパ(2)


ハ〜イ!! ぴんキィだよ〜〜ん♪ 雨が降ると寒いけど、みんな頑張って波乗りしてる? 私は結構サボリ気味・・・。こ・こんなことではいけないっ!! 雨なんかに負けないぞぉ〜〜!! えいえいおー!! ところで今回は、前回の続きをおおくりしちゃうね。パパの昔話、たっぷり楽しんでね♪

 前回、パパことマデ・スタさんに昔のバリのことやサーフィンの思い出話をいろいろしてもらったけど、まだまだ聞きたいことが山ほどあるなあ。パパの話を聞いていると、昔のバリがなんとなく浮かんでくるような気がするんだよね。その時のバリを見ていない筈なのに、なんだか懐かしいような気もしてくる。もちろん、今とは全然違うから、話を聞いてびっくりすることもたくさんあるし、ほんと、聞いてて飽きないんだよね。


若いころのパパ。
逞しい精悍な若者だね。
 クタリーフで見様見まねでサーフィンを始めたパパは、当時のがたがた道を通ってバイクでメドウィにも通ってたって話を前号で聞いたんだけど、他に好きなポイントとかってあったの?
「そうだね、レンボガン島も行ったよ! いいとこだよ。大好きさ。あそこも今みたいにレストランや泊まるところもなかったから、クタから持てるだけの食糧を持っていくんだよ。それで、カヌー置き場みたいなとこで寝るんだ! 食糧がなくなったら帰る、って感じでさ。4日くらいいた事もあるよ」

 パパ、それって今みたいなパブリック船(1日1回、レンボガン島に渡るローカルの船)で行ったの?
「まさか! エンジン付きの船なんてまだなかったから、帆が付いたカヌーを借りて行くんだよ!」
 ぎゃー!! マジで? 漁師の子ならではだね。海がわかってないと、いくら波乗り出来ても怖いもんなあ。

「そういえば一度、カトゥ・メンダなんかと一緒に行った時、昼の11時頃にレンボガンを出たんだけど、2時頃から風がピタッとなくなっちゃって、そしたら船も海の真ん中でピタッと止まっちゃったんだ。仕方ないから自力で船をこいで帰ったよ。クタに着いたのは夜中の2時頃。食糧が尽きての帰りだから、お腹が減って倒れそうだった事を覚えてるね。ハハッ」

 なんか今からは考えれない事だらけだね。でも昔は人も少なくて、波も乗り放題だったんでしょ? まさにパラダイス! うらやましい・・・。タイムマシーンでその時のバリに行って、波乗りしてみたいよ! 最高にはっぴーになれちゃうだろうね。

「そうだね、今とは色々違ったよ。昔、漁師はとても良い仕事だったんだ。畑を耕してる農民よりもお金持ちって感じでさ。お金が貯まると、カヌーを買ったりエンジンを買ったりしてね。そりゃあカッコ良かったものさ。
 でも、漁師たちがカッコ良くやってたその頃、農民たちは少しでも農作物を植えようと、お金を貯めては土地を買っていったんだよ。その当時は土地なんて価値がなかったから、パパ達漁師は土地になんか見向きもしなかったね。家を建てる時も、誰もが『いいよいいよ、ここを使いなよ』って、土地をタダで貸してくれてたくらいさ。だけど今は土地の価値が高いだろう? カヌーやエンジンには寿命があるから、そんなものを買っていた漁師には何も残らなかったけど、土地を持ってた農民たちは今ではみんなお金持ちになっちゃったよ。それがパパの失敗かな?」
 そんな事ないよ! もしパパが漁師の子じゃなかったら、波乗りとも出会ってなかったし、パパより若いファミリーは波乗りのうまい人ばかりだし、波乗りで外国へ行ったファミリーもいっぱいいるじゃない?! 何より昔の波乗りの思い出を語ってるパパの顔は、楽しそうだよ! うらやましいよ!

 ところで、最近は波乗りしないの?
「波がいい時は、時々するよ。漁師の仕事の他に、クタリーフ、エアポートリーフ、ライテンダーなんかにサーファーをカヌーで送って行く仕事もしてるから、波のいい時はお客さんと一緒に入っちゃう時もあるよ。今は息子が二人ともするしね。パパの家族はみんなサーファーさ。家に帰っても、海に行っても、サーファーばかりさ。波乗りの話と、釣りの話と、祭りの話ばかりだよ」

 パパの人生は海なしでは語れないね! 今度ぴんキィもパパと一緒に波乗りしたいなー。いつまでもカッコいいパパでいてね。

 パパのサーファー・ファミリーは、右の写真を見てもらえればわかるように、プロもたくさんいるんだよ。この他、ジョディの弟のラマ(ボルコム所属)、チェリック、スワスティカのいとこのウリック、フィラ、アルタの弟のウィナルタ、ウィルガ等々、数え上げればきりがないほどのサーファーたちなんだ。そうそう、アルタの姪っ子ワヤン・ジュニアは、バリで初めての女性プロサーファーなんだよ。これからもパパのファミリーからどんどんプロサーファーが出てくるんだろうなー。すんごい楽しみだよねー。
 バリのサーフポイントのどこかで、波のある日は必ずパパのファミリーの誰かが波乗りしてるはずだから、もし会えたら「パパ元気?」って声かけてみてね!! みんなサーフィンのうまい人たちばっかりだから、もしかしたらいろんなこと教えてもらえるかもしれないよ。