
芸術の村として世界的にもよく知られているウブド。外国人画家をも魅了してきたこの村では、近年、伝統的なバリ絵画はもちろん、自由なスタイルで描く画家も増え、その活動がますます盛んになっています。そんなバリ絵画をより楽しむため、今回の特集では、ウブドにあるバリの3大美術館をクローズアップ! バリ絵画の変遷や画法を理解することで、あなたの中のバリ絵画の世界が広がりますよ。
バリ絵画の歴史と主な画法
ジャワ島からやってきたマジャパイト王国の宮廷画家によって、ヒンドゥー教の神々を描くバリ絵画が形成され、クルンクン地方のカマサン村でカマサンスタイルが確立される。
ウォルター・シュピース、ルドルフ・ボネなど、バリ絵画に多大な影響を及ぼした多くの外国人画家がウブドに住み始める。
←オランダ人画家ルドルフ・ボネ
スカワティ家のチョコルダ王子が、ルドルフ・ボネなどの西洋人画家と共にアートコミュニティ「ピタマハ」を結成する。
西洋の絵画の影響を受けることなく、独自の画風を貫く「バトゥアンスタイル」、遠近法などを取り入れてバリの生活を描く「ウブドスタイル」が確立。
バリ島で最初の美術館「プリ・ルキサン」が、ウブドの王族であるスカワティ家によって開設。→プリ・ルキサン美術館外観
終戦となり、オランダ、日本の長い植民地時代に幕を下し、インドネシアが共和国として独立する。
オランダ人画家アリー・スミットがバリ島へ移住。ほかの西洋人画家と共に若手画家を対象とし、自由な発想で描く「ヤングアーティストスクール」が開設される。
←現在もウブド在住のアリー・スミット氏は今年で94才
ウブドのプンゴセカン村で、花鳥風月を描く「プンゴセカンスタイル」が確立。
バリ人美術コレクター、ステジャ・ネカ氏により、ウブドのサンギンガン通りに「ネカ美術館」が開設される。
→ネカ美術館の創設者である、ステジャ・ネカ氏
アグン・ライ氏率いるアルマ財団によって、ウブドのプンゴセカン通りにアルマ美術館が開設される。
伝統的なスタイルは一方で継承されつつもスタイルにとらわれない自由な発想と画法で描く画家が増えている。また、ジャワやスマトラなど、バリ以外の島からのインドネシア人画家はもちろん、外国人画家のウブドへの移住が増加傾向に。

●カマサンスタイル
ラマヤナ物語などを題材にした平面画法。天然顔料を使用し、主に5色で描かれているのが特徴。写真の絵はバリの星占いを描いたもの。

●バトゥアンスタイル
生活風景から宗教的な要素を含むものまで、黒、白、茶系など暗めの色彩で描かれた遠近感、立体感のない細密画。

●ウブドスタイル
細密であるが、西洋画の影響を受け、遠近法や立体感をつける画法を取り入れ、主に生活風景を描いている。

●プンゴセカンスタイル
バリの花鳥風月を優雅に描いており、ウブドのプンゴセカン村で受け継がれている。