エイム インドネシア>道端の神々 〜幸運入門〜

7. 都会の夜の旅


 都会で慌しい日常に追われて暮らしていると、体力気力も落ち、その上ストレスもたまって、「のんびりとリゾートにでも行きたいなぁ」と思いません? やはり大好きなアジアリゾートで美味しいものを食べて、デッキチェア―でくつろぎ、恋人や気の合う友人たちと楽しい時を過ごすと、何故だか運気と鋭気が養われてやる気が沸いてくるものですね。

 最近疲れてエネルギーを吹き返したい・・・と思ったあなたは、まず地下鉄に乗りましょう。「?」と思ってもまぁ先を読んでください。

 喧騒の六本木交差点から芋洗い坂を下った街角の突き当たりに、いきなり小さなエレベーターが出現します。実はこの不思議なエレベーターは、疲れた皆さんの「次元を超える夢扉」なのです。最上階3階まで行き、扉が開いた瞬間目の前に広がっているのはアジアの高級リゾート・・・だとしたらどうです? 実はそういうところが本当にあるのです。

 そこに広がっているのは「Casita(カシータ)」。
 リゾートの頂点を極めた海の上の聖地といわれるあの最高級ホテル「アマンプロ」のヴィラの呼び名に相応しく、「カシータ」はレストランでありながらまるでアジアリゾートに来たようなリラックスと癒しを五感でもって感じさせる空間だ。しかしレジの横に大きな木彫りのガルーダもいなければ、木で出来たバナナツリーもない。店内の壁にバロンのお面もかかっていない。ガチャガチャとしたアジア独特の音楽も流れていない。つまり日本の日本人によるアジアチックな表現をすべて取り除いた、まさにシンプルな空間。しかしそれこそがセンス抜群なモダン空間を作り上げた。何故ならここが意識しているのは、アジアのどこかの「都市」ではなく、あの「アマン」がターゲットだからだ。最高級ホテルの「アマン」のホスピタリティに着目したというそれだけでもう他と別格の地位を確立する結果になったようだ。

 どんなお店も入ったときに感じる空気感ってあると思いません? それはそこにいるスタッフの人たちの気持ちや心が見えないエネルギーとなって、お店空間に充満しているからではないかと思っている(インドネシアだとそこの地場エネルギーも関係すると言うけれど)。そしてお客さんは当然のことそのエネルギーに包まれるわけですね。そこで直感的に居心地良いか悪いかを感じるわけだ。そういう見方で説明するとカシータは不思議と「心がほどける」のだ。だから帰りには何故かみんな元気になって帰っていく。言葉ではうまく表現できないが、非常に体温のある接客で、スタッフの人の心に余裕がなければ出来ないと思う。
 私がジョグジャにいるとき、アマンジヲで食事をした帰りの車の中で「この充足感はどこからくるのだろう」と考えたことがあった。それは食事の味でもなければ、値段でもない。場所という空間だけの問題でもない。それは突き詰めるとホスピタリティだったのだ。はじめて会った相手であろうが、大切に尊重し信頼し合う人間の繋がりが安心感と満足感を作り出す。私はアマンジヲと、あるバティックのデザイナーの自宅で開かれたパーティに行った時にこの充足感を味わって、その共通性からホスピタリティの大切さということがよくわかった。これこそが癒しというものかもしれない。もちろんこれは何もお店だけのテーマではなく、人間関係一般に共通している。私のところに相談に来る人も人間関係に息詰まっている人が多い。どちらが上とか下とか、勝ち負けでもなく、相手を尊重して信頼し合う関係をうまく築けない人があまりに多い。

 私がジョグジャのアマンジヲでよく見かけたキャンドルランプともカシータで再会した。そう、ここは現地のアマンから良いと思ったものを実際に調達してきてもいるのだ。それにテラスのスペースにはデッキチェアもあるし、バレ(バリ風東屋)まである。

 テーブルにはゲストの気持ちをくすぐるようなカードが置いてある。お腹の中だけでなく心の中にも充分に潤いをもたらせてくれるニクイ演出。だから次の休暇でバリに行くまでの間のあなたを必ず元気にさせてくれるはずだ。ここでリフレッシュし、満ち足りた気持ちを呼び覚ましたあなたの明日からの未来はきっと明るく正しい。

 もちろんお料理も絶品。初めて行ったときに食したフォアグラの美味しさに気が遠くなったし、定番のアジア風おかゆにいたっては涙にむせぶほど美味しい(しかもなんと1000円です)。どんな思考回路かと誤解を承知で書くと、私が今まで行った所で明日もまた来たいと思ったのは、このカシータと東京デズニーランドのスペースマウンテンの二つです。

 カシータ最高責任者の高橋氏は世界のアマンを回って、その魅力である癒される空間とホスピタリティを六本木という地にレストランで見事に表現したようだ。



Casita
港区六本木5-10-25 六本木プレース3F
TEL : 03 (5414) 3190