Stage 9
Ir.Anak Agung Gede Oka Dalem
アナッ・アグン・グデ・オカ・ダラム さん
《ティルタ・サリ/グンタ・ブワナ・サリ舞踊団主宰舞踊家》


Data
1954年5月3日ウブドのプリアタン生まれ。ウブド王族であり、バリ舞踊界の巨匠マンダラ翁の子息として生まれる。8才で踊りを始め、9才からバリでも有数のトペンダンサーであるマデ・ジマット氏に師事。バリスを徹底的に習う。1984年、ウダヤナ大学の建築科を卒業。1986年、マンダラ翁亡き後、跡を継いでティルタ・サリの代表に就任。

ーオカさんのご自宅は、バレルン・ステージの奥なんですね。緑がいっぱいで素敵なところですね。ところで、オカさんはバリ舞踊界の中でも有名な方ですが、やはり小さい頃から踊りを始めていたんですか?
8才の時に父から最初に手ほどきを受けたんだ。9才の時に、ジマット氏(トペンダンスの第一人者。今も現役で踊りの指導などもしている)について、男性舞踊の基本であるバリスを本格的に習ったんだよ。あの頃は今と違って、一人の生徒に一人の先生というマンツーマンだったんだ。練習時間も3〜4時間続けてが当たり前。3ヶ月みっちり練習していてもまだ全然踊れないくらい、ゆっくり時間をかけて練習するんだよ。

ーわぁ〜、じゃあ、例えば一日、目の動きの練習だけとかで終わってしまうとかでしょうか?
うん、今日はずっと足の動きの練習だけとかね(笑)。今はいろんな踊りを短時間で覚えるけど、ボクが子供の頃は同じ踊りを長い時間かけて練習するのが普通だったんだよ。

ーオカさんは長い間子供たちに踊りを教えているんですよね? 今、人気絶頂のユリアティさんや妹のビダニさんもオカさんの教え子とか?
そう、彼女たちはボクの教え子で、ティルタ・サリで踊っているよ。子供たちのダンスレッスンは毎日曜日の9時から12時までで、このバレルンで教えてるんだ。

ー3時間とは結構長いですね!普通は2時間くらいじゃないですか?
生徒が50人くらいいるからね、3時間はあっという間だよ(笑)。

ーえっ!50人ですか!すごい!踊りを習う子供たちは増えてきてるんですかね?
どうだろうね。昔は、踊りを習えるのはプリ(王宮)でだけだったけど、今はそれぞれサンガル(舞踊グループ)でも教えてるから増えていると思うよ。

ーところで、オカさんのお父様はバリ舞踊界の中でも有名なマンダラ翁で、グヌン・サリやティルタ・サリ舞踊団を結成された方ですよね?
うん、1928年に父がグヌン・サリを結成したんだ。バリ舞踊団として最初に海外遠征にいったのもグヌン・サリなんだよ。1931年にフランス、オランダへ行ったんだ。1979年にはティルタ・サリを結成し、1985年には日本公演をすることができたんだ。この時父は病気で、でも日本が好きだからどうしても行きたいということで、車椅子で行ったんだよ。1986年に父が他界してからは、ボクが父の跡を継いでティルタ・サリを守ってるんだ。

ー1931年? 日本は昭和初期ですね。そんな昔からバリに飛行機が飛んでいたんですか?
はははっ。もちろん船でいったんだよ。ヨーロッパ到着まで大体6ヶ月くらいかかったらしいね。1952年にはアメリカへ渡ったけど、現在の男女が一緒に踊るオレッグ・タンブリリンガンは、グヌン・サリをアメリカに招待してくれたジョン・クス氏がアイデアを出して、天才舞踊家といわれたマリオが創作したんだ。それまでは、オレッグ・タンブリリンガンはひとりで踊っていたんだよ。

ー最後に、オカさんのティルタ・サリでの今後の目標をおしえてください。
ボクたちにとって、レゴンのプリアタン・スタイルは、先祖から受け継いできた大切な財産なんだ。他にもデンパサール・スタイルやいろんなスタイルがある。ボクはどれも素晴らしいと思うし、いろんな色があるからどの色も映えるように、バリ舞踊もいろんなスタイルがあるから楽しいと思うんだ。だから、プリアタンの色がなくなることのないよう、しっかりと守っていくことがボクの使命だと思ってるよ。


毎週金曜日にバレルン・ステージで、「クビャール・トロンポン」を踊るオカさん。 


「クビャール・トロンポン」は男装した女性の姿を男性ダンサーが踊る倒錯の舞踊だ。妖艶さな表現も大事なポイント。


トロンポンを叩きながら踊る高度な技術を要するこの踊りはオカさんの得意演目だ。


1984年、プリアタンで踊っている時に、ツーリストのカメラマンが撮ってプレゼントしてもらったバリスの写真。


1995年、プリアタンで踊りを指導するオカさん。指導されているのは子供時代の、現在若手人気舞踊家であるユリアティさん。


1997年、ギャニャールの県知事から、舞踊&演奏の芸術部門で、多大な貢献をしていると認められ表彰された。


1997年、豊島園でのバリフェスタで、インドネシアの教育文化大臣ワルディマン・ジョヨノゴロ氏(前列真ん中)と(後列左から2番めがオカさん)。


1997年、豊島園で催されたバリフェスタにて兄弟4人のスナップ(右から長女ラカさん、次男オカさん、次女スリさん、長男バグスさん)



■ オカさんの定期公演スケジュール
場所:バレルン・ステージ 19:30〜
演目:クビャール・トロンポン
歌舞団:ティルタ・サリ



*このページに掲載された情報は「H.I.S.バリフリーク 2007年 5号」のものです。
スケジュールなど変更になることがありますのでご了承ください。




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