家族の愛情をめいっぱい受けて、すくすくと育っている犬たちは、満ち足りた笑顔を見せてくれる。こんなシアワセそうな表情を見ていると、こっちまでシアワセな気分になれるから嬉しい。

1. ヘリー家でレトリーバーまみれ

デンパサールのヘリー家に潜入

なんぞまったく興味のなかった人が、今ではこの変わりよう。愛犬の話をする時のヘリーさんは、まるで恋人の話をしているかのように幸せな表情をする。バリに素敵な犬バカ仲間がまたひとり増えた。

■ヘリー家のお犬さま

ゴールデン レトリーバー
 チョコ(2歳/♂)モカ(2歳/♀)

ゴールデン×フラットコーテッド レトリーバー
 そら(3ヶ月/♂)あい(3ヶ月/♂)
 もも(3ヶ月/♀)

 デンパサールのヘリー家を訪ねると、満面の笑みをたたえ、しっぽをぶりぶりと振る五頭の犬たちに囲まれた。初対面なのに、この警戒心のない大歓迎ぶり。さすがレトリーバー一家という感じだ。私がしゃがんで挨拶をすると、仔犬たちが三頭で顔中をなめ回してくれた。ん〜シアワセなこのひととき。けれど私には、この三頭は誰が誰だか見分けがつかない。でも、みんなかわいいから、ま、いっか。

 実は、ヘリーさんは犬にまったく興味のない人だった。飼うつもりなど、さらさらなかったらしい。以前は、犬バカの私を見て、「なにがそんなにいいんだか」と思っていたと言う。
 ところが、2002年8月24日、次男のヨシ君の10回目の誕生日、その日がヘリーさんの運命の日になった。ヘリーさんの反対を押し切って、奥様の雅さんがヨシ君に犬をプレゼントしたのだ。それが当時三ヶ月だったチョコだった。このゴールデンの子犬に甘えられているうちに、ヘリーさんはそのかわいらしさにすっかりまいってしまった。三ヶ月後には、誰に頼まれるでもなく、自分からチョコの遊び友達としてモカを買って来たという。人間、変われば変わるものである。
 それから約一年半後、とあるカフェで出会ったフラットコーテッド レトリーバーに惚れ込み、モカのお婿さんになってもらった。チョコは軽度の股関節形成不全の気がある為、わざわざよそにお婿さんを捜してあげたのだ。そうして産まれた五頭の子犬たちのうち、三頭も残したというのは、やっぱりすごい。でもそれが出来たのは、モカがとても優しく、面倒見の良いコだったからだろう。仔犬たちがチョコにしつこくつきまとってチョコが苛立った時も、モカは優しくチョコをなだめるそうだ。普通だったら、子供の見方をして、チョコを怒ってもよさそうなものなのに、なんて出来た犬なんだろう。もちろん、子供たちの面倒もとても良くみる。モカに任せておけばすべて安心なのだ。

 大事なラタンのソファがボロボロになろうとも、シンガポールで買ったお気に入りのサンダルをガジガジされようとも、犬たちを囲んだヘリー家のだんらんから笑顔が絶えることはない。

左から長女のミラちゃん(15歳)、ヘリーさん、次男のヨシ君(12歳)、奥様の雅(みやび)さん、長男のケニー君(18歳)



*この記事は「H.I.S.バリフリーク2004年10号」に掲載されたものです。



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