6. さく様の耳はウサの耳

ジンバランのゆかりさん宅に潜入

んちゃ盛りで遊びが大好きな「ウサギ耳のさくら」と、そんな彼女をそっと見守る「聖獣バロン」。ここに猫五匹が加わって、ゆかりファミリーのにぎやかな一日が過ぎてゆく。

■ゆかり家のお犬さま

バリ犬(キンタマーニ犬)
 バロン(10歳/♀)

ジャーマン シェパード
 さくら(4ヶ月/♀)

 ヴィラのような素敵なお宅にお邪魔すると、オープンエアのリビングにいたさくらちゃんがじっとこちらを見ている。まるで、
 「誰? 誰? 遊んでくれるの?」
 といった感じで、ヨロコビを表しながら、全神経を集中させて突然の訪問者の様子をうかがっているようだ。その姿を見ながら、私は内心、「耳をなにかでくっつけられている? でもシェパードは断耳しない筈だよな…」と考えを巡らせた。それくらい不自然に耳と耳がくっついているのだ。まるでウサギのよう。ところが、それは彼女が神経を集中させている時に見せる姿だということに気がついた。眠たくなってくると、徐々に耳と耳の間隔が開いてくる。ゆかりさんがボールを見せると、また耳をぴたっとつけてウサギになる。とてもわかりやすいコだ。

 さくらちゃんはかなり大きな身体をしているけれど、これでもまだ四ヶ月。甘えん坊でやんちゃな盛りだ。先住犬のバロンちゃんに「遊ぼー」と、ちょっかいを出す。老犬の域に入っているバロンちゃんは、仕方なしに少しだけ相手をしてあげるけど、でも「うがっ」と威嚇してイヤだという意思表示をしている。怒られても怒られても懲りずに跳ね回るさくらちゃん。純粋無垢のカタマリって感じだ。やっぱり仔犬ってかわいいなー(仔犬には見えないけど)。

 バロンちゃんは、ゆかりさんの勤め先のマネージャーが飼っていたコだった。彼が転勤になる時にゆかりさんが引き取ったのだ。バロンちゃん、優しいお母さんのところに貰われてきて良かったね。

 ゆかり家には、この二頭の他に五匹の猫がいる。一匹は外猫なので会えなかったが、内猫の四匹にはご挨拶をすることが出来た。けれど、写真に写っているラムセス君以外は皆シャイで、冷蔵庫やカーテンの影に隠れてしまって出てきてくれない。
 「ぢゃ、僕が代表ってことで…」
 とでも言いたげに、お腹を見せて「撫でて撫でて」とすり寄って来るラムセス君。ふわふわでとっても気持ちがいい。ああ、シアワセ。

 犬も猫も両方好きな人にとって、ゆかり家の生活はまさに理想の生活って感じだろう。

犬を多頭飼いしている家では、ごはんは離れた場所であげるというパターンが多い。強い方の犬が、他の犬のごはんまでとってしまうからだ。けれど、バロンとさくらは仲良く同じテーブルで食べている。さくらはまだ子どもだから当たり前だけど、一緒に食べることを許している先住犬のバロンはエライ!! と思う。うちのコだったら、絶対に独り占めしてしまうだろう。犬は飼い主に似ると言うけれど、やっぱりお上品で優しいゆかりさんちのコは違うのね…。


左がボールに集中している時。ぴたりとくっついた耳に注目。右は眠くなってきた時。耳と耳の間隔がだんだん開いてきている。


*この記事は「H.I.S.バリフリーク2005年4号」に掲載されたものです。