カズエさんの家に個性的なわんちゃんがいると聞いて、わくわくしながら会いにいった。そのコの名前はダイアナ。サヌールのビーチでは「レディ ダイアナ」と呼ばれているそうだ。ダイちゃんは人間みたいな顔をしている。なにかを語りかけるような目が印象的で、「あたしはなんでも知ってるのよ」とでも言っているかのようだ。ダイちゃんは最近設置してもらったドッグドアの出入りが出来るようになったそうで、得意気に飛び出して見せてくれた。カズエさんがピアノを弾き始めると、軽やかな身のこなしで椅子に飛び乗り、音楽に合わせて一緒に歌を歌いだす。自分でピアノを弾きながら歌うというウルトラCまで習得している。ダイちゃん、すごいっ! たしかに個性的なわんちゃんだ(ていうか、個性爆発?)。
いちばん古株のパルくんは、仔犬の頃にジステンバーにかかってしまった。病気になる前からビーチで放し飼いのバリ犬たちと遊んでいたパルくんは、身体がつらくてもビーチに行きたがったそうだ。連れて行くと、転びながら歩くパルくんの周りを友だちのバリ犬たちがかばうように一緒に歩いてくれた。ビーチに行きたい、みんなと遊びたいという思いがパルくんに生きる力を与えてくれたようで、徐々に快復していったという。泣かせる話ぢゃないか。パルくんの足には今でも後遺症が残っていて、ちゃんと歩くことが出来ない。けれどもう10年、元気に生きて来たパルくんの笑顔を見ていると、なんだか心が洗われるようだ。
いちばん若いレディはビーチに捨てられていたコで、なんと全部の足の裏に火傷の跡があったそうだ。仔犬を火に入れたヤツがいるなんて許せない。カズエさんに会わなかったら、レディは生きていられなかっただろう。つらい体験をした分、ずっとシアワセにいてほしい。ほのぼのとした空気の漂うこの家なら、きっと大丈夫だろう。
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