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「すごくかわいいレトリーバーがいるんです」
そんなタレコミがあったのは先月のことだ。これはもう是非会いに行かなくてはと、はりきって出動した私。サヌールのゆりさん宅に到着すると、お、いたいた♪ にっこにこと満面の笑みをたたえている武蔵くん♪ かわいいなぁ。一見、フラットコーテッド・レトリーバーに見えるけど、口元や足先に微妙に茶色が混ざっている。ゴールデン・レトリーバーのミックスらしい。「わーい♪ わーい♪」と言っているかのように、仰向けになりながらごろんごろんと身体をゆらす。なんて人懐っこいコなんだろう。誰に対してもこうなのかと思ったら、不審な人にはちゃんと吠えて番犬の役割もしてくれるというからオドロキだ。たとえ初対面であっても訪問者がお友だちかどうか瞬時にわかるらしい。エラいぞ、武蔵くん。
こんなに陽気な武蔵くんだけど、仔犬の時からゆりさんのところにいたわけではないそうだ。いなかの方で飼われていたのだけれど、「人間よりも食費がかかる」ということで最初の飼い主に手放されたらしい。そこではなんと、一年以上も小さなケージに閉じ込められっぱなしだったとか。ゆりさんのところに来れたおかげで、武蔵くんは初めてたっぷりの愛情と自由に動き回れる環境を手に入れたのだ。いやぁほんと、よかったねぇ。そのせいか、ここに来たばかりの頃は、自由になれたヨロコビでハジけまくっていたそうだ。ハジけすぎて制御がきかないほどだったので、最初のうちは大変だったらしい。けれどゆりさんの忍耐強い試行錯誤のおかげで、今ではそれもだいぶ落ち着いてきた。
人間と一緒に暮らす以上、犬のシアワセは飼い主で決まる。閉じ込められっぱなしやつながれっぱなしで愛情も与えられていない犬は不幸な犬だ。そんな環境は彼らにとっては地獄だろう。武蔵くんにしてみれば、そんな地獄のような生活から救い出してくれたゆりさんは恩人であり、かけがえのない大切な人。だから目一杯の愛情で答えているのだ。ゆりさんと武蔵くんの間には太い愛情のパイプが見えるような気がした。これがヒトとイヌとのあるべき姿なんぢゃなかろうか。
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