1. ガムランボール作りを見てみたい

お頭
 ここ数年バリに限らず、日本でも大流行の「ガムランボール(ドリームボール)」。手の平サイズの大きなものは元々マッサージに使われていたという。それが今では、アクセサリーや携帯ストラップ、キーリングなどとして多くのショップで売られているのだ。

 そのシャラシャラという神秘的な音色。「この玉の中身はいったいどーなっているんだろう」と考えると眠れなくなる程、小さな玉にそぐわない素敵な音がする。10年程前に購入したシンプルなガムランボールは、年月がたつにつれて溶接部分がなんとなく露出されてきたのだが、さすがに開けることができないので、頭の中は「?」だらけ。

 そこでガムランボールの中身を確かめるべく調査に出発。ガムランボールはクルンクンで作られているものが有名だが、今回はウブドの南、シンガパドゥで伝統的な手法を守りながら銀製品を製作しているこのお宅にお邪魔した。ここでは今、シルバーで装飾されたガムランボールを月間約600個も作っているそうだ。


この道25年になるコマンさん。
「銀細工は学費を稼ぐため、10才の時からやっているんだ」という苦労人。
自宅の一室を作業場として、毎日仕事に励んでいる。バリではこのように個人の家で銀細工加工をやっている所が殆どなのだ。コマンさんのご近所にも同じような家がいっぱいある。
作るサイズに合わせ銅板をカットし、それを型に入れてトントンと叩き、半円を作っていく。半円が仕上がったら音が綺麗に響くように糸ノコで数本の切れ目を入れていく。切れ目の本数は、仕上がりサイズによって変えられるそうだ。
銅板の半円と別に作っておいた外側のシルバー部分をピジャール(液体を温めたもの)とシルバーの針金で溶接して合体させる。シルバーの針金も全て手作り。それもガムランボールの大きさによって太さを変えるという。細かい作業の上、アツイ!
「溶接している時にバーナーの火が強すぎるとシルバーが溶けてダメになってしまうから、ここは特に、重要なポイントだね」。
合体させた半円の中にガムランボールのポイントとなるベアリングを入れたら、同じ要領で作った半円の上部分と溶接で合体させ、形はほぼ完成。次に鉄のヤスリで溶接部分を滑らかにする。みているだけでもギブアップ。
「ここで穴が空いていたら水が入って音がしなくなっちゃうんだ」
手でヤスリをかけた後は更に滑らかにするため、機械で溶接部分を丁寧にヤスリがけ。その後は、シルバーを鮮やかにするため、グツグツと煮立ったお湯の中に薬品を入れて煮る。シルバーが綺麗になったらブラッシング。あともう少し!
最後はバリのお日様の下で天火干し。手間と時間をかけてやっと完成だ。
「ここまで仕上げるのに、これだけの工程をふむんだ。だから大量生産は出来ないんだよ。沢山の職人がいる所は数多く作れるけど、やっぱりこれは手作業だから大変なんだ」
お疲れ様です。


しっぽ
 手間ひまが凄くかかるガムランボール作り。今回紹介した行程でも多少省いて説明した部分もある程。作る行程を見てしまうと売られているガムランボールの金額がとても安く感じられる、本当に大変な作業だ。ガムランボールは職人さんの間では、「ボラ ミンピ(夢の玉)」と言われている。また、中身となるベアリング部分は作られる地域によっても変わるらしい。沢山職人さんがいる所では溶接担当、磨き担当など役割が全て分かれており、溶接担当は一日中ずっといくつものガムランボールを合体させているそうだ。でも、コマンさんは全行程を毎日ひとりで行っている。バリの手工芸品はガムランボールに限らず、手間がかかるものが凄く多いのだ。

 初めはガムランボールの中身に興味しんしんだったが、全行程を見学後、改めてバリの人の器用さ、手作りの大変さを実感。
 市場に沢山出回っている、職人さんの苦労が詰まったガムランボール。とても勉強になりました!

職人根性!
Puas !(満足)



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