6. ボカシオイルの会社を覗いてみたい
お頭
バリにはオイル商品がとても多い。その中でも各家庭に必ず最低1本はあると言っても過言ではない万能オイルが「Minyak Oles Bokasih(ミニャッ オレス ボカシ)」、通称「ボカシオイル」だ。何のためのオイルかと言うと、切り傷、擦り傷、アトピー等の皮膚のトラブルを筆頭に、筋肉痛、体臭の軽減、歯痛、風邪、リウマチ、下痢や男性の性機能向上等、効能はなんと42種類。それも成分は全て自然からのもので、こちらではジャムゥ(インドネシア漢方)と言われているものなのだ。
バリ在住日本人にも愛用者が多く、本誌でも何度かこのボカシオイルを取り上げたことがあるが、反響の大きに驚かされた。実際本誌編集部でもその効果は実証済みと言うか、すでに常備薬となっている。もうすっかりバリの人たちになじんでいる、そんなボカシオイルの会社を覗いてみたいと思う。どんなところで、どんなことをやっている会社なのか、今回は会社見学といきましょう。
バリ島南部の観光地から北へ北へ約2時間半。ブレレン県のブンコル村にある6ヘクタールの広大な敷地を誇るボカシの薬草農園。色々な種類の薬草それぞれに効能が表示されている。身近なハイビスカスの葉もふきでもの等に効くらしい。薬草は全て天日干しにし、乾燥させてから使用される。
ボカシを語るに欠かせないEM(有用微生物群)を製造しているエリア。液中に複数の微生物を共生させた微生物資材で、当初は農業分野向けの土壌改良材だったが、現在では飲み物も出来たり、様々な分野で大活躍。世界55ヶ国で製造されているという。そのEMを開発したのは琉球大学農学部の比嘉教授だそうだ。
この鶏達はEMを混ぜた水を飲んだり、散布されたりで、いやな臭いを75%カットされている。実際にウッという臭さはなく、鶏小屋に入っていても不快感がない。このEMテクノロジーを世界から学びに来る農業関係者も多く、3日間に渡るプログラムも行っているため、宿泊施設もある。
デンパサールでボカシオイルを製造している工場。撮影許可がとれなかったため、コンピューター上の写真を撮らせてもらった。ボトルに詰められたボカシオイルを箱詰めしているところ。
デンパサールのプロウ コモド通りにあるボカシの会社「カルヤ パッ オレス トクチェール」。道路沿いの売店ではボカシオイルをはじめ、EMの製品やクリーム、蜂蜜等取り扱い商品の販売をしている。店頭のスタッフも全ての商品を熟知しているので、手にとっただけで呪文のように説明してくれる。
「カルヤ パッ オレス トクチェール」を1997年に設立した、ボカシオイルの生みの親、ウィディダナ氏。会社設立以前には比嘉氏のいる琉球大学に留学し、技術を学んだ。ジャカルタで大学の教授をしていたこともある。ボカシオイルを商品化した頃には「パッオレス(オレスとは塗るという意味。パッは男性の敬称)」として親しまれ「Cepat Tokcer(すぐ治る)」と評判だったため、会社の名前を「カルヤ パッ オレス トクチェール」にしたのだ。
しっぽ
現在27種類の製品を販売し、短期の間に急成長をとげている「カルヤ パッ オレス トクチェール」。ボカシオイルはこの会社の第一歩だった。そう、「ボカシ」とは農業用語で「発酵する」という意味の日本語だったのだ。薬草等の成分を発酵させたオイルと、EMを混ぜたのがこのボカシオイルというわけ。まさに日本とウィディダナ氏のテクノロジーの結晶なのだ。ボカシオイルだけではなく、他の商品もほとんどEMが関わっていたり、自然からの恵みで作られた商品ばかりとなっている。
今回ちょっと軽い感じで会社見学に踏み込んだものの、技術の素晴らしさやウィディダナ氏を初めとした、スタッフの方々の探究心にはびっくりさせられた。42種類もの効能があるというボカシオイルも、その効能の多さに当初は眉唾ものであったが、小さなボトルにギュッ詰まったテクノロジーの話を聞くと、とても貴重なものに思えてきた。
素晴らしいテクノロジーを知って、思わず買い物をしてしまった。左からダイエット用蜂蜜、血行が良くなるセラミックブレス、シミに効くクリームと、おまけに貰ったお肌がツルツルになると言う蜂蜜パック。
Sekali gosok cepat tokcer !
(一回擦れば直ぐ治る! )
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