7. 日本人留学生の生活を覗いてみたい
お頭
インドネシアの中の小さな島バリ。そんなバリにも日本から留学生が来ている。日本では、毎年多くのインドネシアへの国費留学希望者が願書を出し、書類審査や面接で選考されるが、合格出来るのは約5人〜10人未満という狭き門だ。合格者の勉強の目的や希望地は様々だが、伝統芸能が盛んなバリ島には、踊りやガムランを学ぶために来る人が多い。彼らはバリの州都、デンパサールにあるISI(インドネシア国立芸術大学)で、踊り、絵、ガムラン、彫刻等と、目的に合わせた学科で勉強をしていくのだ。
今回はそんな国費留学(ダルマシスワ)でISIに入った人の中から、バリ伝統舞踊を勉強している日本人留学生、荒内琴江(あらうち ことえ)さんの生活を覗いてみることにしよう。
琴江さんは美大を卒業後、中学高校で絵を教えていたが、ある映画のワンシーンをきっかけに大学時代からバリ舞踊を習い始めたそうだ。
女性があまり習うことのない男性の踊り「バリス(戦士の舞)」を約1年、個人の先生宅で習っている。先生はガンブー(バリ伝統歌舞劇)の第一人者でもあり、ISIでも教えていた経験を持つブカル先生。スタイルのみならず、身体の中からの表現方法も伝授してくれる。
ブカル先生と一緒にトペン(お面)職人マデ氏の所へ。勉強中のジャウクのお面を付けて大喜び。
「自分専用のトペン(お面)ができると嬉しいですね。これはワルナバリという豚の骨等を色の原料にしているので、アクリルのとは見た目が全然違って、存在感があるんですよ」。
ローカルの生徒はもちろん、世界各国からバリ舞踊を習いに来ている留学生仲間達と一緒に、ISI内のスタジオで授業を受けている琴江さん。何しろ人数が多いので、先生を目で追うだけでも忙しそうだ。
「授業が急になくなったり、遅れることは日常茶飯事なんです」。
今度は、ISIでも授業を持つ、パルティニ先生宅で個人レッスン。
「日本でバリ舞踊を習っていた時の先生がパルティニ先生に習っていて、基本からばっちり教えてくれるからと、薦められたんです」。
時々ピシッと先生の愛のムチが飛ぶ事も。
移動は全てバイクで。
「バリに来る前、日本では50ccに少し乗っていたぐらいです」。
と言うわりには、凄く飛ばすのでびっくりした。昼食は近所のワルン(食堂)からテイクアウト。1食Rp.4,000。学生なので贅沢は出来ない。
バリ最大の芸能イベント「アートフェスティバル」で、バリスを舞う琴江さん。
「私、パキパキした男性の踊りが好きなんです。バリス命ですね」。
パルティニ先生も「彼女は男性舞踊が似合う」と言っていた。
しっぽ
大学時代に観た「ベティーブルー」という映画の中で、主人公の女の子がインド舞踊をテレビで観ながら首をクネクネ動かしていたのがとても印象的だったという琴江さん。大学では彫刻をやっていた彼女だが、その映像のせいで何か身体で表現したいという思いにかられたという。ちょうどその頃、たまたま友人が持って来たバリ舞踊のチラシをきっかけに、どんどんとバリ舞踊にはまって行ったそうだ。留学期間は2年。既に1年が経ったが、2年では勉強しきれないとちょっと焦り気味だ。なので、毎日個人レッスンや学校の授業を必死にこなしている。また、オダラン(お祭り)等で貴重な舞踊があったりすると、バイクで何十キロも走ってでも観に行くという。休みの時は同じ留学生とコス(アパート)でお喋りをしたりと、節約しながらもバリでの留学生活を楽しんでいるようだ。
Mahasiswa asing
(留学生 )
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